ダイエットや健康ブームで少しずつ日本食が見直されてきています。
中でも、日本食に欠かせない「味噌汁」。
昔から「味噌は医者いらず」、「味噌汁は朝の毒消し」などと言われているほど、人びとは味噌汁のパワーを実感していたようです。
今日は、味噌汁にどんな健康効果があるのか、塩分が気になったり、インスタントは効果があるのか、といったことについて見ていきたいと思います。
目次
味噌の健康効果
味噌汁に関しては、東洋医学的な効能だけでなく、現代の研究でも様々な効果が認められてきています。
①体にこもった余分な熱を収め、毒素を排出
温かい味噌汁を飲むとほっこりしますが、東洋医学での味噌の分類は、「寒」にあたり、のぼせやすかったりイライラしやすかったりする方の、体内の余分な熱を収めてくれます。
また、肝の働きを高めてくれる作用があり、老廃物を取り除き、毒素を排出してくれます。
よく、二日酔いに味噌汁が良い、といわれる理由の一つです。
②ストレス解消
東洋医学でも、味噌にはストレス解消作用があるとされてきました。
現代の研究でも、味噌に含まれるGABA(ギャバ)というアミノ酸の一種に「抗ストレス作用」が確認されています。
ギャバは、脳に存在する神経伝達物質で、ストレスを和らげ、興奮した神経を落ち着かせる働きがあります。
ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えて、リラックス状態をもたらす作用があります。
③抗酸化作用が女性に嬉しい
味噌に含まれるビタミンEやサポニンという成分は、抗酸化作用があります。
これらの成分は老化防止に良いとされているので、美容に気を使う女性には嬉しいポイントです。
④動脈硬化・心臓病の予防
味噌に含まれるリノール酸はコレステロール値を下げ、サポニンなどの成分が血管の老化防止の役割を持ちます。
まさに、「味噌汁は医者いらず」ですね。
⑤良質な睡眠をサポート
朝に味噌汁を飲むと、良質な睡眠をサポートするメラトニンというホルモンが安定して分泌され、夜によく眠れると言われています。
メラトニンが作られるのには16時間程かかりると言われているので、朝に味噌汁を飲んでおくと、夜の睡眠の質がぐーっと上がります。
よく眠ることはストレスにも美容にも健康にも、良いことづくめです!
味噌の塩分が体に悪い?
最近は「減塩」を気にして味噌汁をあまり飲まない人も多いようです。
実際、味噌汁の塩分ってどうなんでしょうか。
使う味噌や好みによって、塩分量は違ってきますが、一杯あたりの平均で1.2~1.5グラム程度と言われています。
もちろん健康に良いからといって飲み過ぎは良くないですが、1日に2~3杯飲む分には大丈夫です。
それよりも、うどんやラーメンの汁を飲み干さない、外食などの濃い味付けに気をつける、という方が効果的です。
そして、味噌汁の具材に「塩分を排出してくれるもの」を具材としてたっぷり使うこともおすすめです。
例えば、わかめ、ほうれん草、春菊、豆腐、いも類、ごぼうなどを代表とする、野菜や海藻類ををたっぷり入れて食べるようにしましょう。
インスタント味噌汁でも良い?
味噌󠄀の主原料である大豆は、良質のたんぱく質を豊富に含む食品です。
大豆は発酵によって、アミノ酸やビタミンなどがたくさん生成され、その他にも炭水化物、脂質、灰分、ビタミン、カリウム、マグネシウムなどの栄養豊富な食品となり、上で紹介したような健康への効果が期待できます。
インスタントの味噌汁でも、ある程度の栄養は期待できますが、インスタントの場合は「生味噌タイプ」より「フリーズドライ」タイプの方がおすすめです。
生味噌タイプは加熱処理を行っているため、栄養価は低くなってしまいます。
フリーズドライタイプは栄養価、風味も比較的手作りのお味噌汁に近くなっています。
生味噌タイプと比べると少し価格が高く感じるかもしれませんが、美味しさもやっぱり違います!
ということで、全く飲まないよりはインスタントでも飲む習慣をつけることをおすすめします。(できれば添加物の少ないものを選びたいですね)
もっと効果を期待するなら「本物の」味噌
実は、インスタントではない、自分で味噌汁を作る場合の味噌にも、色々と違いがあるんです。
それは、製法・原材料に違いがあります。
天然醸造と速醸法
本物の、本来の味噌は味噌を加温せずに、じっくりと熟成させる方法です。
常温で置いておくのですが、この方法で味噌を作るのには約1年かかります。
一方、速醸法は温度を調整し、部屋を暖かくして強制的に味噌の発酵を促す製法で、約3ヶ月ほどでお味噌が出来上がります。とってもコスパが良いんです。
「生きていない味噌」もある!?
本来の「味噌の原材料は「大豆(または米、麦)、麹、塩」だけ。
熟成中の味噌の中では、麹によって「酵素」ができることにより、味噌の原料でデンプンやたんぱく質などが分解され、豊富な栄養と旨味が引き出されます。
ですが、店頭で販売されている味噌には酵素が活きているのと、そうでないものがあるんです。
酵素は熱に弱いため、出汁入り味噌や生味噌タイプのインスタントの味噌のような熱処理を行った味噌には、活きた酵素は含まれません。
せっかく味噌汁の「発酵食品」という健康効果を狙って食べるなら、生きた味噌を摂るほうが、健康効果は出やすくなります。
本物の味噌の選び方
酵素が生きている「発酵食品」としての健康効果が期待できる味噌は、どんな味噌なのでしょうか。
【原材料に「酒精」が含まれていない】
酒精は味噌の発酵を止めるために添加されています。
発酵し続けるとガスが発生して、味噌のパックがパンパンに膨らんだり破裂してしまう場合があるので、スーパーなどでは扱いづらいからです。
味噌を購入する際は、原材料をチェックしてみましょう。
【非加熱処理の味噌】
加熱処理も、酒精と同じく発酵を止めるために行われます。
そのため常温で売られている味噌の多くは、袋詰めのときに加熱処理がされていることが多いです。
ただ、加熱処理かどうかの表示は義務がないので、
・容器に小さな穴(バルブ/空気弁)がある
・発酵が進まないように冷蔵で管理されている
といった味噌を選んでみましょう。
【天然塩を使用している】
これは発酵食品とは別の話になりますが、低価格のコスパ重視の味噌に使われている塩は、大量に生成できる塩化ナトリウムである場合が多いです。
これだと、いくら味噌汁では塩分の心配はないといっても、あまり良くありません。
できれば塩にもこだわっている味噌を探してみましょう。
おすすめの味噌
加熱処理をしていない味噌です。味噌を発酵させた酵母菌や乳酸菌と、それらが生み出した酵素がそのまま生きています。
国産有機大豆と国産有機米、秩父の城峰山頂付近からわく天然水、そして伝統海塩「海の精」を原料とし、伝統的な製法にこだわってつくっている、人気の高いお塩です。
こちらも国産大豆、国産米を使用し、加熱処理もせず、酒精などの添加物を使っていない天然醸造の無添加味噌です。味噌本来の味と香りがして、淡赤色の優しい色合いと食べやすい中甘口の味噌。
まとめ
味噌の健康効果、いかがでしたでしょうか。
朝一杯の味噌汁、そして会社でのお弁当や夜ご飯にもぜひ味噌汁をつけてみてくださいね!
手軽に海藻類(わかめやとろろ昆布など)をいれるのも良しですし、家で作る時間がある時はたっぷりの野菜を入れてみてくださいね^^
また、ぜひ味噌自体にもこだわってみると健康効果がアップするはず!
ぜひ、日頃から体に取り入れるものに意識を向けてみましょう!
One thought on “【味噌汁の健康効果】塩分やインスタントは大丈夫?~日本の食養を見直そう!~”
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