最近、健康や美容を意識する女性の間で流行りだしている、甘酒。
甘酒にはどのような栄養があり、飲むことでどんな効果があるのでしょうか。
甘酒は、昔から重宝されていた栄養ドリンク。
ぜひ、日々の食養生として取り入れてみませんか?
目次
米麹と酒粕の違い
甘酒は2種類に分けられます。
それぞれの特徴の違いを見ていきましょう。
【酒粕の甘酒】
酒粕は名前の通り、お酒を造った時に出る搾りカスです。
この酒粕に水と砂糖を加えて作られるのが酒粕甘酒。
お正月に神社などで振舞われているのは、こちらの甘酒ですね。
酒粕と麹甘酒の違いは、アルコール成分の有無です。
酒粕100gには、約8%のアルコールが含まれています。
加熱によって5%程度までは減らすことができますが、自分で酒粕から作る際は、アルコールを控えている方は注意が必要です。
市販の酒粕甘酒の多くはアルコールが更に少なくなっていますが、妊婦さんやお子さんなどアルコールを控えたい方は麹甘酒にするほうが良いと思います。
酒粕には麹甘酒よりも食物繊維やタンパク質が豊富に含まれていますが、糖分を足さないと甘酒としては飲めないのが特徴です。
【麹甘酒】
名前の通り、米麹を使って作られる甘酒です。
ほんのりと優しい甘い味で、ブドウ糖成分が多く含まれていることから「飲む点滴」とも言われています。
こちらはアルコール成分は全く含まれていません。
どちらもお酒の製造に関わっているものですが、米麹は日本酒製造においてアルコール成分を出す前のもの、酒粕はアルコールを出した後のもの、という違いから、アルコール成分の有無が分かれます。
今回は、この麹甘酒について詳しく書いていこうと思います。
米麹甘酒の栄養・効果
飲む点滴とも言われる米麹甘酒は、ブドウ糖を始め、たくさんの栄養を含んでいます。
ビタミンB群、葉酸、パントテン酸、ビオチン、ナイアシン、食物繊維
など。
現代でも疲労回復や美肌、ダイエット時の栄養補給などを目的として摂取する方が増えています。
東洋医学的効能
東洋医学では甘酒は「益気、生津、活血」の効果があると言われています。
これは言い換えると「エネルギーチャージ」「潤いチャージ」「血の巡りを良くする」という意味。
★エネルギーチャージ
甘酒の原料となるお米には、そもそも「胃腸を丈夫にして力をつける」「消化吸収機能を回復する」という働きがあります。
胃腸は食べ物から栄養を吸収し、エネルギーに帰るために重要な臓腑。
ここが弱ってしまうと、エネルギーを生み出しにくくなってしまいます。
それを助けてくれるのが、お米であり、甘酒。
エネルギー=気ですが、気は本来は「氣」と書くほどお米と関係が強いんです。
エネルギー(氣)が不足すると、やる気、活力、勇気、判断力などが低下してしまうため、失敗が多くなったり、やる気が出なかったりします。
また、ダイエットをしている人にとっても、食べ物を燃やす代謝にもエネルギーが必要になるため、必要不可欠なんです。
★潤いチャージ
東洋医学では、白い食材は「潤いを補ってくれる食べ物」と考えます。
特に、甘酒のように白くてとろっとしたものは、潤いを補う力が強いです。
皮膚が乾燥したり、喉が乾燥したりすると、化粧水や美容液で一生懸命補ったり、水をたくさん飲んだりする方が多いですが、「内側から」「吸収しやすい形で」補ってあげることが大切です。
特に、生理中、妊娠中、授乳中の女性は潤いが血液とともに不足しがちになります。
体内の潤いが不足すると、単に乾燥肌や喉の乾きといった症状だけでは収まりません。
東洋医学では乾燥に特に弱い「肺」は「大腸」「粘膜」などとも関係が深いため、潤い不足によって免疫力が低下して風邪や感染症にかかりやすくなったり、花粉症を発症したり、便秘になったりといったことに繋がります。
化粧水も体内の潤いが不足した状態では付け焼き刃ですし、大量の水を飲んでも吸収しきれないので、甘酒や食べ物などから潤いをチャージして内側からしっかり潤してあげてください。
★血の巡り改善
血の巡りが滞ると、イライラしたり、クマや肌のくすみが発生したり、体の隅々まで栄養が届かず、肌や爪、髪の毛がボロボロになってきてしまいます。
血行が良くなると、それらが解消されやすくなりますし、体内の老廃物も排出しやすくなります。
こういったことが、ダイエットや美容、健康に気を使う人に麹甘酒が注目されている理由ですね。
甘酒がおすすめの方
★妊婦さん、授乳中の方
米麹甘酒はアルコール成分を含まないため、酒粕の甘酒よりも安心して飲むことができます。
妊娠中はどうしても赤ちゃんに栄養などが取られてしまい、血や潤い不足になりやすいです。
授乳冲も、母乳のもとは血液のため、血や潤い不足になる方がとても多いです。
妊娠中や授乳中のエネルギー補給、潤い補給としてはぜひ取り入れてほしい食べ物です。
食欲がない時やおやつとして、また忙しい育児の合間などに是非!
★生理中
たくさんの血を失ってしまう生理中もまた、血とともに潤いも不足してしまいます。
また、エネルギー不足、血や潤い不足が生理痛の原因となっていることも多いので、温めた甘酒をゆっくりと飲んでみてください^^
★甘いものがやめられない方
甘いものが大好き!でも食べすぎてしまうのが止められなくて困っている…という方。
甘いお菓子をたくさん食べるのはダイエットにも健康にも良くないですよね。
そんな時は、甘酒をゆっくりと飲んでみましょう。
満腹感も得やすいですし、しっかりとした甘みもあるので、食べ過ぎを防止してくれると思います。
★潤い不足、エネルギー不足の方
体質的に、普段から潤い不足、エネルギー不足の方はぜひ、甘酒を日々の生活に取り入れてみてください。
わかりやすい特徴としては
・胃が弱い
・食欲が異常にある or 食欲がない
・食べるとすぐ眠くなる
・体が重い、疲れやすい
・朝は特にボーッとする
・口や喉が渇く
・肌や髪が乾燥する
・爪が弱く割れやすい
という方。
このような症状がある場合は胃腸が弱ってエネルギー不足になっていたり、潤い不足の可能性が高いです。
逆に、梅雨などの湿気が多い環境で体調が悪くなる方、痰が出たりむくみやすいなどの症状が強い場合は「潤い過多」で不要な水分まで溜め込んでしまう体質のため、毎日甘酒を飲むようなことは控えたほうが良いです。
甘酒のおすすめの飲み方
甘酒は、朝、夜、おやつと、いつ飲んでも大丈夫。
自分のライフスタイルや目的に合わせて、コップ一杯を目安に飲んでみましょう。
(体に良いからといって飲み過ぎはダメ。何事も適量です)
私は、おやつ時や小腹が空いた時に飲んでいます。
毎日飲む方は、同じ味だと飽きてきたり、甘酒を飲んでみたいけどちょっと苦手…という方もいますよね。
そんな時は、少し飲み方を工夫してみましょう。
おすすめ①甘酒ココア
マグカップに甘みの入っていない純ココア小さじ2ほどを入れて少量のお湯で練り、そこに甘酒を120mlほど入れてレンジで温めるだけ。
砂糖を使わず、甘酒自体の甘みで、あまーいココアが出来上がります♪
お好みで生姜を入れると、更に体が温まります。
おすすめ②豆乳甘酒
甘酒のどろっと重い感じに飽きたら、豆乳で割るとサラッと飲むことができます。
おすすめは、無調整豆乳と米麹甘酒を1:1で入れて飲む方法。
私は温めてホットで飲んでいます。
無調整豆乳って健康そうだけど飲みにくいという方が多いですが、甘酒の甘みがプラスされて調整豆乳みたいに飲みやすくなります!
いろんな甘酒が販売されていますが、私が個人的に「飲みやすい」「コスパよく続けやすい」と思ったのはこちら。
ぜひ、気軽に甘酒も日々の養生に取り入れてみてください^^
まとめ
米麹甘酒の栄養、効果、いかがでしたでしょうか。
あくまで食品としての良さなので、そればかりを摂取するのではなく、基本の食事を前提に、そこにおやつとしてプラスしたり、食べたりない時に食後に飲んでみたり、忙しい家事育児の合間の栄養補給として、取り入れてみてください。
あなたの体がエネルギーや潤いが不足した状態であれば、毎日少しずつ飲むことで体内の崩れたバランスが整ってきます。
食品なのですぐに効果はわかりにくいかもしれませんが、毎日口にするものを「自分の体の状態にあったもの」に変えていくことで、体は応えてくれます。
自分の体に足りないものを補ったり、体質にあったバランスを考えて食べる「食養生」。
食べるものを選ぶことで、健康、美容につながります。
ぜひ、取り入れてみてくださいね!
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