妊娠中にお腹などが痒い!肌が乾燥する、といった肌トラブル、多くの妊婦さんが経験しているようです。
私も例外なく、痒い!!!
妊娠初期から始まり、波があるもののけっきょく妊娠後期にまで痒いのは続きました。
特に後期に近づくにつれて(私はお腹が特に!)痒みは酷くなり、夜寝るまでに時間がかかる、昼間もなんだか集中できない…というような状態でした。
(皮膚科の薬もあまり効果がないし…)
今日は、妊娠中の痒みの原因は人によって様々ですが、意外と当てはまっている人も多いかと思い、一例として「血の不足」による妊娠中の痒みと対策について書いておきます。
目次
妊娠中の痒みの原因
妊娠中の肌の痒みは、乾燥を伴うことが多いですし、皮膚科やネット情報でも「保湿が大切です。」としか言われないので「水分不足?」と思いがち。
ですが、血の不足(専門用語で血虚)が原因であることが多いんです。
血が不足すると、体の隅々に栄養や酸素が行き渡らなくなります。
もちろん、皮膚にも。
すると、肌に潤いや栄養分が十分に来なくなってしまいます。
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織という3つの層からできています。
表皮の一番外側にある角層は、通常、水分をたっぷり含んでいます。
真皮には、表皮に栄養や酸素を運ぶ毛細血管があります。
そして表皮と真皮には、痛みや痒みを感じる知覚神経が伸びています。
血が不足して肌に潤いがなくなり乾燥すると、お肌のバリア機能が低下するため、外部からの刺激に知覚神経が過敏に反応し、痒い!と感じやすくなるんです。
さらに、妊娠中はどんどんお腹などが大きくなり、ただでさえ肌が引き伸ばされて薄くなっている状態。
特にお腹が痒いという人が多いのは、この体型変化も原因となります。
血のはたらき
中医学では「気・血・水」の3要素が体の機能を正常に機能させ、私達が元気に活動するために必要不可欠な物質と考えています。
【気】全ての活動エネルギー。絶えず体を巡り、体を温めたり、血液や体液をめぐらせます。それによって各器官に栄養を届け、免疫力や臓器の正常な活動を維持しています。気がスムーズに体をめぐると、心身ともにのびのびした気持ちになります。
【血】血は体の隅々まで巡り、各組織や器官に栄養などを与えて活性化させる働きがあります。
【水】津液とも呼ばれ、血液以外の全ての水分(リンパ液、再貿易、髄液などなど)を指します。
中医学や漢方では、この「気・血・水」のバランスや滞りから体の不調を探っていきます。
血の不足=貧血とは限らない
妊娠すると血液検査をするかと思います。
その時に特に「貧血ですね」と言われなかったからと言って、気血水の「血」が不足していないとは限りません。
血液検査では、「血の質」まではわからないんです。
ヘモグロビン値が正常であっても、それはあくまで「数」をみたもので、ヘモグロビンがきちんと元気に機能しているかという質までは見られないんです。
だから、検査で貧血と言われなかったとしても油断しないでくださいね。
血の不足(血虚)の症状
明らかに「貧血」でなくても、妊娠中は赤ちゃんに積極的に栄養を送らないといけないので、どうしてもお母さんの体は血が不足気味になりがちです。
下記のような症状が出ていれば、血虚の可能性が高いです。
・顔色、唇、爪、皮膚、結膜などの色が白っぽい
・筋肉がつる
・不眠、途中で目が覚めやすい
・めまい、立ちくらみ
・目のかすみ、乾き、疲れ
・爪が割れやすい
・髪の毛にツヤ・ハリが無い、白髪が生えやすい
・肌が乾燥しやすい
・疲れやすい、息切れしやすい
心当たりはありませんか?
痒みの対策
妊娠中はお腹の中の赤ちゃんに栄養を届けないといけないので、血が不足しやすい上に、「脾や胃」といった消化に関わるシステムの機能が弱りがち。
消化吸収力が落ちてしまうと、食べ物から血やエネルギーを作り出すための栄養を吸収する力が弱ってしまいます。
なので、余計に妊娠中は血が不足する血虚になりやすい人が多いんです。
だから、妊娠中のかゆみ対策には「血を補う」という意識をいつも以上にもつことが必要です。
よく貧血対策には「鉄分」「肉」などと聞きますが、それも体がきちんとそこから質の良い血を作る出す体制が整っていないと意味がありません。
そこで、東洋医学では、下記のようなに方法で「血の量や質」を高めて血虚を改善していきます。
①血を作り出す機能を高める食べ物
血を作り出すための体作りに必要なことは
・脾や胃の機能を高める
・気(エネルギー)を補充する
・血を補う食材をとる
・血を作り出す食べ物をとる
ということが大切です。
それには、以下のような食べ物が、東洋医学では良いとされています。
【胃腸を丈夫にし気を高める食べ物】
山芋、じゃがいも、里芋、さつまいも、れんこん、にんじん、キャベツ、栗、棗(なつめ)、ピーナッツ、ぶどう、さくらんぼ、桃、お米、真鯛、鮭、鶏肉、羊肉、牛肉
【血を補う、造血作用のある食べ物】
ぶどう、レーズン、れんこん、ごま、なつめ、大豆、鶏肉、卵、タコ、タチウオ
私が重宝している棗(なつめ)↓↓
棗は気や血を補ってくれる、女性は積極的にとりたい果実です♪
②睡眠
東洋医学では睡眠は「陰血」を補ってくれる重用なポイントと考えています。
また、人間は寝ている間に、日々消耗してしまうエネルギーを充電しています。
エネルギーがない状態では、血を作り出す栄養を吸収したり、血を作り出したりすることができません。
そのため、血の不足を解消するためには、夜は早めに寝て、しっかりと睡眠時間を確保することが重要です。
③内臓を労る
せっかく摂った栄養を吸収して使えるエネルギーに変えてもらうために重要な胃腸や脾。
そして、血を貯蔵したり血量を調整する役割の「肝」。
これらを元気に保つためには以下のことがポイントです。
・胃腸を冷やさない
・食べ過ぎなどで酷使しない
・必要のないストレスを貯めない
胃腸は冷えに弱いです。
冷房や外気といった外からの冷えに注意することがもちろん、冷たいものや生ものなどで胃腸を冷やさないようにしましょう。
また、食べ過ぎ・飲み過ぎは胃腸に負担をかけてしまいます。
脂っこいものや消化の悪いものなどは控えて、消化の良いものを多めに摂るようにしたり、よく噛んで食べることが大切です。
さらに、血に大きく関わりのある「肝」はストレスにより発生した老廃物を分解・排泄して体を守るという役割もあるため、ストレス過多になると過労になってしまいます。
運動や趣味などでストレスを上手に発散するなど、ストレスを溜めないようにしましょう。
まとめ
妊娠中のお腹など肌の痒みの原因と対策、いかがでしたでしょうか。
もちろん人によって原因は様々ですが、血虚の症状に当てはまる人は是非試してみてくださいね。
私は実は、妊娠前から「血虚」の体質ということは分かっていたので気をつけていたのですが、妊娠検査のときの血液検査で「貧血です」と言われてしまいました。
病院では痒みとの関連性は言われませんでしたが、注射と鉄剤を処方してもらい一週間ほど飲みながら今まで以上に食事にも気をつけたとろころ、痒みのレベルが明らかに小さくなりました。
もちろん外からの保湿も大切ですが、内側から肌に栄養や水分を送ってあげられる体を作っていきましょう!
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