出産という大仕事を終え、ほっと一息つきたいところですが、「産後うつ」という症状に悩む人が今増えています。
産後鬱の原因は何なのでしょうか。
また、産後うつにならないようにするためには、どのように対策をすれば良いのでしょうか。
薬などの対処療法ではなく、根本から解決するために東洋医学の観点から見ていきたいと思います。
目次
産後うつの症状
産後の気分の落ち込み、不安感、イライラといった感覚は、「マタニティーブルー」と呼ばれ、妊娠・出産に伴うホルモンの変化によって起こる一般的な反応とされています。(つわりみたいな感じでしょうか)
8割ほどの女性が経験するとされ、その症状は、通常数日から2週間以内に自然と治まります。
一方、「産後うつ」は出産した女性の1割ほどがなると言われていて、産後1カ月以降で、気分が落ち込んだ状態が2週間以上続いた場合に疑われます。
気分の落ち込み、不安感、イライラとした感情とともに、眠れない、集中力低下、気力が出ない、食欲不振、疲れやすい、頭痛、耳鳴り、息苦しい
といった症状が長期間続く場合は注意です。
また、こういう状態が続くと、
「子どもが可愛いと思えない」「育児に自信が持てない」「自分はダメな母親だ」と、自分を意味もなく責めてしまったりもします。
産後うつの原因
東洋医学の観点から産後うつの原因を考えると、以下の3つが主な原因となります。
気虚(気の不足)
「気」とは東洋医学で重要な3要素「気・血・水」の一つで、体を温めたり、血液や体液をめぐらせ巡らせています。
免疫力を保ったり、臓器の正常な活動を維持し、人の体を支える全ての原動力のようなものです。
気が十分にあり、スムーズに体を巡っていると、心身ともに正常な状態です。
この気が不足した状態が「気虚」。(虚は不足を表します)
出産とは膨大なエネルギー(気)を消耗します。
また、産後は授乳などで寝不足になりがち。そして、慣れない育児で気も使いますよね。
そうすると、気をつけていないとどんどん気が不足していってしまうんです。
気が不足すると産後の体力回復が悪くなるだけでなく、活力がわかない、疲れやすい、集中力がない、気分がふさぎがち、といった「産後うつ」の症状が出やすくなります。
血虚(血の不足)
血が不足した状態、血の質が良くない状態を血虚といいます。
産後は出産による出血で血が失われているだけなく、母体の回復、母乳の材料などで血が不足しがちになります。
血の巡りは精神面にも大きく関係しています。
そのため血が不足したり滞ったりするとイライラや不安、不眠など精神的に不安定になってしまうんです。
(ちなみに母乳はお母さんの血液が材料です!そのため血が不足した状態がひどくなると、母乳も出にくくなります)
腎虚(腎精の不足)
東洋医学では五臓といって「肝、心、脾、肺、腎」という分類があります。
東洋医学では「腎」には「腎精」という生命の源ともなるエネルギーが蓄えられていると考えます。
腎精は食事や睡眠などで充実させていきます。
この「腎精」が十分にあれば、女性の生理や妊娠、出産、授乳が正常に機能します。(若々しさを保つのにも重要!)
女性は出産の際に、この腎精を赤ちゃんに与えることになります。
こうして、私たちも先天的な「腎精」をもって、生まれてくるんです。
なので、産後の女性は腎のエネルギーが不足しがち。
腎のエネルギーが低下したまま回復しないと、耳鳴り、めまい、難聴、脱毛、白髪、疲れ、脱力感、不眠、無気力など、産後うつの症状が出やすくなります。
産後うつの対策、克服
薬では解決しない
産後うつに薬で対処するのは、一時的には気持ちが安定したり眠れるようになるかもしれません。
ですが、根本的に体の内側をケアしてあげないと、原因は取り除かれていないので、また繰り返してしまいます。
なるべく休む
産後6~8週間は、妊娠や出産で変化した女性の体が、大きくなった子宮が元の大きさに戻るなど、妊娠前の状態に戻るまでの期間です。
この期間は体力回復を第一として、なるべく横になる、寝られる時に睡眠をとる、ということを心がけましょう。
睡眠や休息をとることで、気、血、腎精の回復が行われていきます。
目を酷使しない
自分時間にはタブレットで映画を見たり、テレビ番組を見たり、スマホをいじったり…と過ごす方も多いかもしれません。
ですが、目にはたくさんの血管が集まっていて、目を酷使すると血虚に拍車をかけてしまいます。
目の疲れには注意しましょう。
食事
気、血、腎精を補うには食事は重要です。
バランスの良い食事を心がけながら、特に下記の食材を取り入れるようにしてみてください。
【気を補う食べ物】
山芋、じゃがいも、里芋、さつまいも、れんこん、にんじん、栗、なつめ、ピーナッツ、クルミ、ゴマ、ぶどう、レーズン、うるち米、もち米、真鯛、卵、羊肉、牛肉
上記の食べ物は、胃腸を健康にし体力をつけ、気を補いやすくする食べ物でもあります。
胃腸が弱ると食べ物から気を補うことができなくなるので、消化の良いものを食べたり、胃腸を冷やさないように常温以上のものをとるようにしましょう。
【血を補う食べ物】
ぶどう、レーズン、大豆、れんこん、ごま、なつめ、鶏肉、卵
【腎精を補う食べ物】
黒豆、黒ごま、昆布、ひじき( 黒いもの、魚介類 )
なた豆、ニラ、ゴマ、クコの実、栗、サバ、イカ、エビ、鶏肉
無理に「バランス良くご飯を作らなきゃ!」と思ってしまうと心身ともに疲れてしまうので、ナッツ類をおやつに取り入れたり、汁物に海藻を入れるなど、ちょっとずつ工夫していきましょう。
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また、手軽に食べられる、おにぎりを作り置きして冷凍しておくのも良いですよ。
また、今は様々なスーパーがネット通販もやっています。
買い物に行くのが大変な時はネットスーパーやお弁当、簡単にできる調理キットなども活用しましょう。
お弁当などを活用するときも、ゴマや海藻類をプラスするなど、栄養価を上げる工夫をしてみましょう。
ちなみに私はオイシックスのキットを活用したことがありますが、かなり時短で簡単、さらにメニューを考える手間がいりません(笑)
食材にもこだわっていて、安心ですし、何より美味しい!
会員になると、お手軽なキットだけでなく、日々の食材を買うネットスーパーとしても使えますよ^^
食材の質にもこだわりたい方にはおすすめ!
まとめ
産後うつの原因と対策、いかがでしたでしょうか。
産後うつは、頑張りすぎてしまう女性ほど、休む時間が少なかったり、食事バランスが偏ってしまうことで発症しやすいです。
産後はまず自分の体力回復を第一に考えて、できるだけ休むこと、気・血・腎精を補う食事を心がけてくださいね。
その方が早く体力も回復し、結果として元気に活動できる日が近くなります。
ぜひ、産後に鬱っぽいかな?と思ったら、それは「休んでね」「エネルギーが足りないよ」という体からのサインです。
薬に頼らず、体の声を聞いてあげて、根本から解決していきましょう!
2 thoughts on “【産後うつの原因と対策】産後うつにならないために根本からケア!”
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