子供の頃にみたアンパンマン。
自分に子供ができて、改めてアンパンマンに触れる機会ができ、ふとアンパンマンの歌詞から感じることがあったので、少し掘り下げてみました。
目次
アンパンマンの根底にあるもの
アンパンマンマーチの歌詞って、改めて歌詞を見ると、他のアニメとは少し違う印象があります。
それは、アンパンマンの作者であるやなせたかしさんの考え方や思いに「陰陽」という自然の摂理がしっかりと根づいているからなんです。
アンパンマンの陰陽
陰陽とは、四柱推命や風水でよく出てくる考え方ですが、実はこの世の中すべてのものに当てはまる原理原則です。
物事は陰陽に分かれていて、陰と陽は常に共存し、互いに関係しあっています。
アンパンマンの中に見られる陰陽は、以下のことを見ると分かりやすいです。
・バイキンマンがいてはじめてアンパンマンが輝く
やなせたかしさんは、アンパンマンはもちろんですが、バイキンマンを一生懸命描いているようです。
陰と陽や常に一対。
バイキンマンという悪役がいてはじめて、アンパンマンが際立ってくるんですね。
・アンパンマンはバイキンマンを完全に排除しない
アンパンマンはバイキンマンを「アンパンチ」でやっつけますが、他のヒーロー物と違うところは、完全に消滅させるようなことは、していませんよね。
一時、アンパンチは暴力的という声もあったけれど、アンパンマンの世界の中では、アンパンマンもバイキンマンも、常に共存しています。
ばいばいきーん!で終わり。
これが、やなせたかしさんが描く、アンパンマンの陰陽。
実際に、著書『アンパンマン大研究』の中でも、次のように書いています。
アンパンマンとばいきんまんは、光と影、陰と陽、あるいはプラスとマイナスのような関係です。
『アンパンマン大研究』
どちらか一人だけでは存在できません。
お互いそのことをよく知っているのでしょう。
・アンパンマンが伝えたいこと
著書の中で、やなせたかしさんは次のように言われています。
ぼくが「アンパンマン」の中で描こうとしたのは、分け与えることで飢えはなくせるということと、嫌な相手とでも一緒に暮らすことはできるということです。
『ぼくは戦争が大きらい』
「マンガだからできることだ」「現実にはムリだ」なんて言わずに、若い人たちが真剣に考えてくれればうれしいです。
このようなやなせたかしさんの価値観が、アンパンマンのマーチの歌詞にも深い意味を与えているのでしょうね。
アンパンマンの歌詞の意味
そういったことを踏まえた上で、アンパンマンのマーチを改めて見てみると、やっぱり深いな~と思います。
アンパンマンの歌詞は戦争と関係が?
ネット上などでは、このアンパンマンの歌詞に対して、やなせたかしさんの戦争体験や特攻隊として亡くなった弟さんへの歌だ、という情報がたくさんあります。
ですが、やなせたかしさんの著書の中では、これを否定されています。
ぼくはそんなつもりはなかったのですが、「アンパンマンのマーチ」が弟に捧げられたものと指摘する人もいます。
『ぼくは戦争は大きらい』
なので、もちろん彼が生きた時代背景や、弟さんの出来事などは根底に流れた上での「やなせたかし」なのは間違いないと思いますが、直接特攻隊で亡くなった弟さんを歌った、というわけではないようです。
愛と勇気だけが友達!?
私も小さい頃から気になっていた歌詞。
「愛と勇気だけがともだちさ」
という部分。
実際に、やなせたかしさんの元にも、これに対する質問や抗議の声が届いたそうです。
これに対して、著書の中で次のように言われています。
友だちも仲間も大勢いる。友情で結ばれている。
『オイドル絵っせい これじゃあ死ぬまでやめられない!』より
しかし命がけで自分を犠牲にしても戦う時は自分ひとり、他人の協力をアテにしないということだ。
これは、戦う時は友達をまきこんじゃいけない、戦う時は自分一人だと思わなくちゃいけないんだということなんです。
『わたしが正義について語るなら』より
お前も一緒に行けと道連れをつくるのは良くないんですね。
(中略)
責任は自分で負うという覚悟が必要なんだということです。
友達を巻き込んではいけない…責任は自分で負う。
こんな意味があったんですね。
何かと「人と一緒にやって安心したい」「誰かのせい、何かのせい」にしたがってしまう人間が多い世の中、ずしっとくるメッセージです。
人生をつくるためのキーワード
私がアンパンマンのマーチの歌詞を改めて見直して、共鳴した部分が、こちら。
何の為に生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ!
何が君の幸せ 何をして喜ぶ
解らないまま終わる そんなのは嫌だ!
時は早く過ぎる 光る星は消える
だから君は行くんだ微笑んで
これは、風水、四柱推命にも通ずる部分があります。
私達が風水や四柱推命を使うのは、自分のことを知って、使命を知って、自分が何を幸せと感じて、どんな人生を目指すのか。
それを理解してより良い人生をつくっていく、そのためのツールが風水や四柱推命だからです。
この仕事をしていて思うのは、そんな自分の命(めい)や使命を知ろうとしない人、何が自分にとっての幸せなのかを分かっていない人って、結構多いということです。
時間は有限。
いつまでも変わらないものはありません。
だから、自分の幸せに向かって精一杯進んでいかないといけないんですよね。
アンパンマンのマーチの歌詞には、そんな意味がこめられているのではないかと私は感じました。
まとめ
アンパンマンの歌詞の意味、いかがでしたでしょうか。
アンパンマンに限らず、陰陽を理解されていて、その考えが根底にある方がつくっている作品は、とても奥が深いです。
アンパンマンのマーチの歌詞にも、それがとてもよく現れていて、だからこそ少し意味深な印象的な言葉になっているのかもしれませんね。
子供向けのアニメですが、こういったことを知った上で改めて見てみると、また違ったものが見えてくるのではないでしょうか。
ぜひ、子供と一緒に楽しんでください♪