「生理中の女性は神社を参拝してはいけない」
「出産後の女性は参拝してはいけない」
こんな言葉を聞いたことがないでしょうか。
私も以前そう思っていたのですが、この言葉を聞くと「女性差別だ」と感じる方もいらっしゃいます。
でも、実はそうではないんです。
パワースポットにもなりやすい神社。
ぜひ、正しい知識をもって神社へ参拝してほしいと思います!
目次
生理中、出産後はケガレている!?
よく言われるのは「生理中や出産後は出血をともなうので汚れているから、神社を参拝して神様の前に行ってはいけない」ということ。
確かに、「けがれ」と言われると「汚れ」「不浄なもの」と結びつけてしまいます。
実際に、「ケガレ=汚れ」と現代では書くことも多いですよね。
ですが、実際は少し違うんです。
穢=気枯れ
「ケガレ」のもともとの言葉の意味は「気枯れ」、つまり「気が枯れている状態」という意味でした。
気というのは、エネルギー。
私達の体には気=エネルギーが満ちていて、気が十分にあることが健康体を維持し、生命を維持するために重要となります。
もうひとつ、東洋医学では「気血水」という概念があります。
気、血、水が体を構成、維持するための3大要素であり、これらはお互いに強く関係しあっています。
生理中や出産時は、出血を伴います。
気血水の血を失っている状態ですね。
血と気は密接に関係しあっているので、血が体外へ出てしまうと、どうしても気も不足しがちになります。
実際、生理の時はいつもより疲れやすいですし、出産後なんてフラフラですよね。
エネルギー、つまり気が消耗されているからです。
この状態を「気枯れ」と呼んでいたんです。
女性の体への気遣いだった
このような「気が枯れた状態(エネルギーが低下した状態)」では、まず体力を温存することが最優先。
今の時代は生理中も薬を飲んだりしながら、アクティブに動く女性が多いですが、体への負担を考えると、生理中はたとえ生理痛がなくても「ゆっくり休むこと」がベスト。
さらに、昔は神社を参拝するって大変なことだったんですよね。
今のように便利な交通機関もないですし、神社ってけっこう階段を登らないといけないかったりしますしね。
だから、「出血をともなうような生理中や産後は体を休めなさい」という意味から、「生理中や産後は神社へ参拝してはいけない」と言われていたんです。
それが、「汚れ」という漢字を使うようになったことで、だんだんと意味が誤解されてきてしまっています。
本来は、女性の体を気遣った風習だったんです。
禊はエネルギーチャージ
神社を参拝する前に手を洗う「手水舎」ってありますよね。
また、伊勢神宮などではよく聞きますが、参拝する前に体を清める「禊」という儀式もあります。
これを聞くと、さらに「やっぱり汚れているから清めるんだ」と思われがちですが、実はこれも「気枯れ」を解消する行為。
水は、古くから「エネルギー」であると考えられてきました。
そして、生理中や産後でなくても、私達は日々の生活で少しずつ「気」を消耗して生きています。
そこで、水に触れることでエネルギーを充電してから参拝をする、という行動、それが禊なんです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
生理中は汚れているから、不浄だから神社を参拝してはいけない、ということはありません。
実際、そんな注意書きは見たことないですよね。
決して、女性を排除するような考え方ではなかったということ。
ですが、生理中に無理をして外出することはおすすめしません。
生理中は体にとって大変なとき。
しっかりと体を休めてあげましょう。
何事も、表面上の情報に惑わされず、しっかりと正しい知識を取り入れていきたいですね^^
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