生理って、生理痛などの不調がある人にとっては煩わしいと思ってしまいがちなものですが、突然生理がぱたっと来なくなってしまうと、不安になりますよね。
生理が来ないのは妊娠以外にも原因がある場合があります。
大変なことになる前に、体からのサインを無視しないようにしましょう。
体質・原因別に解決策や体質を改善する食べ物などもご紹介していきます。
目次
生理が来ない!
18歳を過ぎても初潮がない、または妊娠していないのに、それまであった生理が3ヶ月以上の長期間にわたって来ていない、そのような状態を無月経と呼びます。
生理がこない、主な原因
卵巣ホルモンがきちんと働き、バランスが保たれることで定期的に生理がやってきます。このバランスが崩れてしまうと、正常な排卵や生理が起こらなくなってしまいます。
18歳を過ぎても初潮がこない、という場合は子宮などの形成不全、卵巣の異常などが原因となることが多いです。
これまで生理が来ていたけれど突然来なくなったという場合は、極度のストレス、環境の変化、肥満、極端なダイエットなどが原因となっていることが多いです。または脳下垂体や視床下部の異常などによりホルモンの分泌がうまく機能していないこともあります。
精神薬や睡眠薬などを長期的に服用しているとホルモンバランスが崩れ、それが原因となっている可能性もあります。
原因にもよりますが、病院ではホルモン治療を勧められることが多いようです。副作用やリスクなどもあるため、できるだけ根本的な改善をしていきたいですね。
体質・原因別の解決法
それでは、無月経になってしまっている行動や原因となる体質ごとに、解決法やオススメの食べ物、控えた方が良い食べ物などを紹介していきます。
自分がどこに当てはまるのかをチェックして、しっかり対策をしてくださいね。
①脾虚血少(ひきょけっしょう)タイプ
消化吸収力が低下していて、血を生成する機能が弱くなり血が不足して生理がこなくなってしまったタイプです。
【症状と特徴】
・生理周期が徐々に遅れ、量も色も少なく薄くなっていった
・顔は青白い、または黄色で艶がない
・めまいや動悸がある
・食欲不振で痩せ型
・体がだるく無気力になりやすい
・便秘と下痢が交互にくる
・皮膚が乾燥している
【原因】
・消化吸収機能が弱りやすい(土のエネルギーが強い、弱い等)
・不摂生や過労、慢性的な運動不足、無理なダイエットなどにより「血」が不足している
【対策】
★脾(東洋医学での脾は消化吸収機能全般を指します)の機能を高めるのがポイント
・朝に散歩をしましょう。気が高まり、消化吸収を助けてくれます
・脾の機能を回復する食べ物をとりましょう(おすすめの食べ物参照)
★脾に負担をかけないのがポイント
・消化しにくい高タンパクのもの、粗い食物繊維のもの控えめにしましょう
・油っこいものた味の濃いものを摂りすぎないようにしましょう
・水分を溜め込みやすいもの(乳製品、メロン、こんにゃく等)は控えめにしましょう
【おすすめの食べ物】
・なつめ(胃腸を丈夫にする。造血機能を促進する)
・いんげん豆(胃腸の機能を回復させる)
・黒豆(腎機能を補う。胃腸の機能を高める)
・大豆(造血を促し、五臓の働きを補助)
・栗(腎を補養する。胃腸を丈夫にする)
・クルミ(腎を補う)
・山芋(胃腸を丈夫にする。虚弱体質の改善)
・レンコン(血を養う、血行をよくする)
【控えめにしたい食べ物】
大根、ごぼう、こんにゃく、牛乳、トマト、メロン、その他体を冷やすもの(夏野菜や外国のフルーツ、冷たいもの)
②脾肺気虚(ひはいききょ)タイプ
脾(消化吸収)の機能が弱っていて気がうまく生み出せず気が不足し、血液を体内で巡らすパワーが失われています。そのために血が滞る状態が続いて生理が来なくなっているタイプです。
【症状と特徴】
・生理がだんだん少なくなり、こなくなってしまう
・味が感じにくく食欲不振
・腹部の張りが食後に酷くなり、押したり温めたりすると緩和する
・体がいつもだるい、無気力感がある
・手足がむくむ
・顔色が黄色(または白)く艶がない
【原因】
・虚弱体質、または胃腸が弱く「気」の源が少ない
・生ものや冷たいものを摂りすぎ、消化吸収力が落ちて「気」が補給できていない
・過労や睡眠不足によって長期的に気を消耗し続け、不足している
【対策】
・気を補うために毎朝、散歩しましょう(体力にあわせて徐々に増やしていく)
・気を高める食材を食べましょう
・汗をたくさんかくと「気」も流れ出てしまうため、このタイプの人は長風呂やサウナ、ホットヨガ、激しい運動などは避けましょう。
【おすすめの食べ物】
・なつめ(胃腸を丈夫にする。造血機能を促進する)
・いんげん豆(胃腸の機能を回復させる)
・大豆(造血を促し、五臓の働きを補助)
・栗(腎を補養する。胃腸を丈夫にする)
・クルミ(肺の機能を高め、気の不足を解消する。体を補強)
・山芋(胃腸を丈夫にする。虚弱体質の改善)
・レンコン(血を養う、血行をよくする)
・干し柿
・卵、鶏肉、豚肉、羊肉
・もち米
【控えめにする食べ物】
冷たいもの、寒性食材(南国フルーツ、夏野菜、大根、ごぼう、セロリ、こんにゃく、海苔、ひじき等)、
生もの、油っこいもの、牛乳、乳製品
③肝腎不足(かんじんふそく)タイプ
肝と腎の機能が両方とも不足していることで、生理が来ないタイプです。肝は老廃物の解毒、消化吸収、気のめぐり、血液の貯蔵などに関わり、腎は生殖に関わるシステムです。
【症状と特徴】
・生理の量が少ない、だんだん無月経になる
・痩せぎみ
・手足がほてり、足腰がだるい
・動悸がする、息苦しい
・めまい、耳鳴りがsる
・のどが渇く
・顔は青白く、頬が時々ピンク色になる
【原因】
・虚弱体質や長期的な過労によって肝・腎の機能が低下している
・長期的にイライラやストレスを溜め込むことで肝血が消耗している
・慢性的な睡眠不足により腎の陰分が補われず消耗している
【対策】
★肝と腎を滋養し、血分を補養することがポイント!
・大量の汗をかくようなサウナ、長風呂、ホットヨガ、岩盤浴などは控えましょう
・利尿効果のある食材や薬は避けましょう
・「陰血」を補える食材を食べましょう
・休息をしっかりとり、過労にならないようにしましょう
・夜は早めに寝て、たっぷり睡眠をとりましょう
・温かい食事や常温以上の飲食を心がけましょう
・気持ち良いと感じるくらいの、適度な運動をしましょう
【おすすめの食べ物】
・ゆり根(胃腸の機能、吸収力を高め気を補う)
・なつめ(胃腸を丈夫にする。造血機能を促進する)
・れんこん(血を養う、血行をよくする)
・山芋(胃腸を丈夫にする。虚弱体質の改善)
・卵(血を養う)
・黒ごま(肝と腎の機能を高める、血を補う)
・レバー(肝の働きを助ける)
・栗(腎を補養する。胃腸を丈夫にする)
【避けたほうが良い食べ物】
香辛料(唐辛子、カレー粉、カラシ、胡椒、にんにく等)
利尿作用のあるもの(小豆、緑豆、じゃがいも、なす、セロリ、はとむぎ、コーヒー等)
④陰虚血燥(いんきょけつそう)タイプ
体の「陰分(体内の水分や陰気等)」と「血分」が不足することで体が熱っぽく乾燥して生理がこなくなっているタイプです。
【症状と特徴】
・もともと生理量は少なく、だんだん無月経になった
・痩せ型で手足が火照る、皮膚は乾燥している
・顔色は黄色っぽく、頬が時々ピンク色になる
・めまい、動悸、耳鳴りがあり目が乾燥する
・空咳があり、時々血が混じることがある
・喉が渇き、冷たい飲料をよく飲む
・尿量が少なく色が濃い
【原因】
・虚弱体質、陰陽のバランスが崩れている
・辛いものをよく食べることで陰血が不足している
・利尿作用のあるもの(食材、薬剤)を摂りすぎて陰血が消耗している
【対策】
★陰分を滋養し、生じた熱を納めることがポイントです!
・夜は早めに寝てしっかり睡眠をとりましょう(陰を補えます)
・辛いもの、香辛料は控えめにしましょう
・大量に汗をかかないように長風呂、サウナ、ホットヨガなどは控えましょう
・過去に大出血や大汗を経験している人は漢方で治療をしましょう
【おすすめの食べ物】
・ゆり根(胃腸の機能、吸収力を高め気を補う)
・山芋(胃腸を丈夫にする。虚弱体質の改善)
・りんご(津液などの水分分泌がを促す。熱を収めイライラを解消)
・卵(血を養う)
【控えめにする食べ物】
甘いもの、香辛料、刺激物、揚げ物、利尿作用のあるもの(小豆、緑豆、じゃがいも、なす、セロリ、はとむぎ、コーヒー等)
⑤気滞血瘀(きたいけつお)タイプ
気が滞ることで血小板に異変が起こり静脈循環障害(血瘀)になることで、気が滞る症状と血が滞る症状が同時に生じて生理がこなくなるタイプです。
【症状と特徴】
・生理が数ヶ月こない
・怒りっぽく精神が不安定。鬱っぽい、またはイライラしがち
・胸が苦しい、脇や胸が張り、痛みがある
・下腹部が張って痛い。押すと痛みが増す
・げっぷが出やすい
・口が乾くけれどあまり水が飲めない
【原因】
・長期的にストレスを溜め込んだり、イライラや怒りで肝が疲弊し気血を全身へ巡らす機能が低下している
・事故等で部分的に血の巡りが阻害されている、長期間の病気により気を消耗している
【対策】
★気のめぐりを良くし、血行をよくすることがポイントです!
・考えても仕方のないこと、不要なことまで考えすぎないようにしましょう
・アロマや運動、趣味などで、自分にあったストレス発散方法を見つけましょう。しっかりと眠ることでも、ストレスに負けないエネルギーが得られます
・毎朝散歩をして、気血を巡らすと同時にリラックスやストレス発散をしましょう
【おすすめの食べ物】
・黒きくらげ(血行を良くし血液中にこもった熱分を収める)
・大豆(浄血作用をもち、血行をよくする)
・れんこん(血液中の余分な熱を除き、血行を良くする)
・赤ワイン(血行を良くする)
【控えめにする食べ物】
香辛料(唐辛子、カレー粉、胡椒など)、にんにく
甘い物、冷たいもの、消化しにくいもの
⑥痰湿阻滞(たんしつそたい)タイプ
水分の代謝がうまくできず余分な水分がたまることで体の様々な働きを妨げている状態です。余分な水分を湿邪といい、痰はその一種。これらの痰湿により生理がこなくなってしまうタイプです。
【症状と特徴】
・生理がこない
・太り気味、顔がむくむ
・胸が苦しい、胃が重い、むかつく
・体がだるい
・痰が多い
・顔色は黄色っぽい
【原因】
★水分代謝に関わるシステム(東洋医学では「肺」「脾」「腎」)の機能が低下している
・暴飲暴食や運動不足、ストレスなどで消化系統(脾)が弱っている
・汗のかきすぎや過労で気を消耗することで肺気が補給できていない
・慢性的な睡眠不足で陰分が不足している
・長期的な過労、長期的に寒冷・多湿の環境にいることで腎が弱っている、あるいは消化吸収力が落ちている
【対策】
・しっかりと休息をとり、過労にならないようにしましょう
・毎日適度な運動をとりいれましょう。朝に1時間ほど散歩するのがおすすめです。
・水分をためこむ作用をもつ食べ物・は控えましょう(牛乳、メロン、トマト等)
・生ものや冷たいもの、冷蔵庫から出したばかりのものは注意しましょう
・間食が多い人は、その質を見直しましょう。(果物やナッツなど)
【おすすめの食べ物】
・水分を出してくれる食べ物(きゅうり、冬瓜、ナス、はとむぎ、いんげん豆)
・なた豆(腎機能の回復)
・大根(痰の出を良くし、消化を促す)
【避けた方が良い食べ物】
香辛料、甘いお菓子、ジュース、冷たいもの、生もの
牛乳、メロン、トマト、豚足、牛すじ、鶏皮
⑦寒滞子宮(かんたいしきゅう)タイプ
冷えにより、生理に関わる経脈(気血水などの通り道)が冷えてしまうことで気血が滞り生理が来ないというタイプです。
【症状と特徴】
・生理が数ヶ月こない
・顔色は青白く、暗い
・肩や背中がこる
・手足が冷える、腰がだるい
・下腹部が冷えて痛みがある。押すと痛みが増す
・胸が苦しい。むかつきがある
・下痢っぽい
【原因】
・虚弱体質、消化吸収障害によって気血の陽気が不足し、経脈中に陽気や気血が十分に供給されなくなっている(結果、周辺にある子宮や卵巣が冷えてしまう)
・長期間、極端に寒い環境にいることで経脈が冷えている
・生ものや冷たいものの過剰摂取で胃腸の「陽」が損なわれ経脈に影響が出ている
・抗生物質や寒性の薬や漢方などを長期服用し、冷えている
【対策】
・下腹部を冷やさないようにし、カイロや腹巻きなどで温めましょう
・冷たいもの、冷蔵庫から出したばかりのもの、寒性食材などは控えめにしましょう
【おすすめの食べ物】
温性食材(羊肉、ニラ、クルミ、乾生姜、シナモン)
【控えめにする食べ物】
寒性食材(夏野菜、南国フルーツ、柿、梨、大根、ビール等)
*寒性食材は火を通しても温性にはなりません。冷たい状態よりは胃に優しくなりますが、控えめにしましょう。
無月経~まとめ~
あなたのタイプはわかりましたでしょうか。
生理がこない、というのを放っておくと不妊にも繋がりますし、肝臓、腎臓などの他の部分にも大きな不調が出てきてしまいます。
自分のタイプを把握し、原因となるものを回避するようにしていきましょう。
おすすめの食べ物は、少し意識して取り入れるようにしてみてくださいね^^
それも、「そればっかり」ではなくバランスが大切です♪